野球の練習道具としてサンドボールというのがあります。
文字通り、ボールの中に砂のようなものが入っていて重くなっているボールです。
息子が少年野球チームに入っています。いったいどのような練習ができ効果があるのでしょうか
ここではバッティング練習法について説明していきたいと思います
サンドボールとは
やわらかい樹脂製のボールの中に砂(実際には砂鉄)が入ったボールです。
ちょうどメディスンボールの小さい版のようなものといえるでしょう。
重さは、200グラム、300グラム、350グラム、500グラムなどがあります。
目的や、使う人の力量や年齢に合わせてボールを選ぶことができます。
何種類か持っていると負荷を変えながら練習することもできます。
バッティング向上のための練習方法
基本的には、ティーバッティングで使う練習になります。
ティーバッティングのようにネットに向かって打つこともできますし、遠くへは飛ばないのでちょっとした広場でロングティーのような感じで練習することもできます。
ただし、飛ばないとは言え、きっちりとミートして打てるようになると重さによりますが10メートルから20メートルは飛ぶようになりますので周りに人や車や建物などがないか注意しましょう。
どれだけ飛ばせるようになったかを確かめたい場合は、当ててはいけない障害物の無い広場で練習するようにしましょう。飛距離が伸びるのを楽しみに練習すると、どんどんパワーがついていくでしょう。
また、ボールの重さだけでなく近くから軽くトスをしてもらったボールを打つので、ボールの重さ以上の力に負けない力で打たないといけません。
ミートを心がける
ボールをミートしないと、上をこするとすぐに落ちますし、下を打つと真上にあがってしまい前には飛びません。きっちりと真芯でとらえることを心がけて打ちましょう。そのためにはボールをよく見るということも大事ですし集中力も必要になります。
インパクトで押し込む
ボールをミートしても打つ力が弱いとボールの重さに負けて前には飛びません。ミートすると同時にインパクトで後ろ側の手で押し込む意識で打たないと、いい打球は飛びません。普通の素振りでは負荷が無いのでスイングのパワーは鍛えられませんし、普通のティーでもサンドボールに比べて負荷は小さいので、やはりパワーを鍛える練習にはなりません。サンドボールの重さに負けないスイングができるようになったころには、かなりのパワーがついているはずです。
ひっぱるより流す意識で
上のインパクトで押し込む意識とつながりますが、ひっぱるよりは逆方向に(右打者はライト方向、左打者はレフト方向)打つ方が効果的だと思います。ひっぱるスイングというのは自然に力強いスイングができてしまいます。しかし、逆方向に内野手の頭を超すような強い打球を打ち返すためには、かなりのパワーが必要となります。サンドボールでのティーバッティングで逆方向へ流す意識をもって練習すると右打者なら右中間、左打者なら左中間を抜ける長打が打てるようになるはずです。
重さを変えて打つ、または最後は実際のボールを打つ
例えば、軽いボールから重いボールへ、また重いボールから軽いボールへなど重さを変えて打つと良いと思います。数球ずつでも良いですし、十数球ずつや何十球ずつで重さを変えればいいでしょう。
また、ネットに向かって練習している場合だと最後は硬球や軟球を打って実際のボールの感覚を確認するとより効果が高まるでしょう。
竹バットで打つ
ボール自体が重いので、金属バットや複合バットで打つのは相性が悪いような気がします。特に、硬式野球をしている場合は、竹バットを使って打ったほうが効果的だと思います。木製バットの場合は当たるところが悪かったり長く使用しているうちにバットの疲労から折れる可能性があるので注意しましょう。
バッティングでの効果は
ミート力がつく
練習法でも説明したようにミートしないと飛びません。ボールをよく見て集中してミートをすることを心がけて練習することによりミート力が養えます。
パワーがつく、体幹が鍛えられる
重いボールに打ち負けずにスイングするので、力強いスイングができるようになっていきます。それは、スイングとしてのパワーだけでなく、全身を使って打たないとサンドボールの重さに力負けしますので、自然と全身を使った打ち方が身につくと同時に、全身に負荷がかかるので体幹も鍛えられることになります。
特に、他のトレーニングでの体幹の鍛え方と違い、実際にスイングしながらの負荷で鍛えられる体幹なのでより実践的な体幹が養えるといえるでしょう。
スイングスピードが速くなる
重さに負けないスイングを繰り返すことにより、パワーだけでなくスイングスピードも自然についていきます。スイングスピードが速くなるとボールを手元近くまで呼び込んで打てるようになりますし、ボールへの反発力も高まるので遠くへ鋭い打球を飛ばせるようになります。
実際のボールを打った時には、ピンポン玉を打っているような感覚になると理想でしょう。
試合前に
バッターが打席に入る前に重いおもりをつけてスイングしたり、重いマスコットバットを振っているのを見かけたことがあると思います。これは、重い負荷でスイングしておくと身体のキレが出て通常のバットが軽く感じスイングスピードが上がるからです。
同様に、試合前のアップ時などでサンドボールを打てる機会があれば、10球程度、サンドボールを使ってトスバッティングしておくと、身体のキレを出し、スイングスピードも上げることができます。
少年野球の練習で
ロングティーの代わりに
少年野球のチーム練習で、ロングティーを行うことも多いと思います。選手の多いチームなら、同時に数人が打っても、打つ順番ではない選手は球拾いができますが、ロングティーの場合、ボールの飛ぶ範囲が広範囲になり集めるのが大変です。選手の少ないチームは猶更、ボール集めが大変ですし、お父さんがボール集めのお手伝いをされたりしていることも多いと思います。
ロングティーの代わりにサンドボールで行うと、スイングの力も付くと同時にボールの飛ぶ範囲が狭くなるのでボール集めも楽になり一石二鳥になります。
遠征先や試合会場での練習で
いつもの練習場所と違うところで練習をしたり、試合に行ったときにはネットがないとティーバッティングがなかなかできません。そのような時でも、サンドボールを使ったティーバッティングなら、ちょっとしたスペースがあれば可能です。
サンドボールのデメリットは
デメリットではないのですが、少年野球のように体がまだ出来上がっていない子がする場合は、数多く打ちすぎると手首を怪我したり、他の部分にも余計な力が入って怪我をしたり、フォームが崩れて体のバランスが悪くなったりするので練習のし過ぎには気を付けた方が良いでしょう。
ボールの重さが数種類ありますので、負担にならない範囲で練習するようにしましょう。
自宅の庭で練習するにはネットが必要
グランドや人がいない空き地で練習することができますが、自宅の庭やガレージで練習する場合はネットが必要になってきます。
バッティング練習以外の練習法
投げても大丈夫?
サンドボールと使ってのキャッチボールはやめておきましょう。サンドボールの重さを利用してボールを地面にたたきつける練習は投球での力強いボールを投げたり、ボールのスピードを高める練習にもなります。ただし、かなり肩や腕、特に肘には負荷がかかることになるので、一回につき10回程度にしておきましょう。また、絶対に投球のように前に投げるのはやってはいけません。
まとめ
サンドボールを使った練習は小さな場所でもできます。練習の効果も複数あります。
近所に小さな広場があったり、自宅にネットを張れるスペースがあるなら親子や兄弟でも練習可能な方法です。重さの違うサンドボールをいくつか用意したりしながら工夫して取り組むと良いのではないでしょうか。
また、サンドボールだけでティーバッティングをするのではなく、他の練習方法と組み合わせながらバッティング練習の一つの方法としてサンドボールでのティーバッティングを取り入れると様々な効果が期待できると思います。